ウチナータイムの始まり(宮古島旅行記その2)

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南国へ向け漕ぎ出す

 荷物は登山用のザック一つにまとめたため身軽だ。午前7:00、バス停に向け自転車を漕ぎ出す。バス停に到着して7:35発のバスが来るのを待つ。その間に自転車を折りたたみ、ソフトケースに収納する。次に組み立てるのは宮古島のはずだ。

 時刻通りのバスに乗り、羽田空港へ向かう。約2時間の乗車の後、第2ターミナルに到着。すぐに搭乗手続を済ませ、手荷物を預けるためにカウンターに向かう。「大型手荷物・特別な手荷物」というカウンターがあり、自転車はそこで預けるようだ。ANAのスタッフのスムーズな対応により、無事自転車を預ける。

 フライトは11:40なので、まだ時間に余裕がある。軽食を取り、飛行機の離着陸を見ながら過ごす。余裕をかましすぎて危うく保安検査所を通れなくなるところだった。早めの行動を心がけよう。

 高まる気分とともに搭乗し離陸を待つ。混み合う時間帯のようで、タクシーウェイには離陸待ちの飛行機が列になっている。窓外に運行する飛行機が観られるので全く退屈しない。結局、離陸まで30分くらいかかった。ちなみに、飛行機の出発時刻は機体が動き始めた時刻を指すので、この場合でもオンタイムである。そしてとうとう、現実を振り切り飛行機は南国へ向け離陸した。

第1の島『宮古島』

 エコノミークラスでは食事は出ないが、飲み物のサービスはある。この便には無料のWi-Fiまであり、3時間半のフライトは非常に快適であった。さすがのANAである。目的地が近づき、高度を下げていく。雲の合間から宮古島が見えてきた。曇っていても、島の周辺の海は青く美しい。天気予報では滞在中の天気は良くない。少しでも晴れた宮古島が見られるといいなぁ。

 15:10宮古空港に着陸。機体から出ると外はとても蒸している。冬の東京とは全く気候が違う。ロビーで預けた荷物がコンベアから出てくるのを待つ。しばらくして、預けたザックが単体で流れてくる。「あれ、自転車がない」と思っていると、空港の女性スタッフが笑顔で担いで持ってきてくれた。空港では女性も当たり前のように重労働をしている。

 建物の外に出て自転車を組み立てる。見慣れない風景の中に、見慣れた自転車。不思議な光景にワクワクしてくる。この時点で15:40、宿に向けて宮古島空港を出発。

東洋一のビーチを目指す

 宮古島での拠点となるゲストハウス「ほんまや」に到着。昨年2018年5月にオープンしたばかりとのことで、とても綺麗である。オーナーの方も若い方で、設備やシステムに配慮が行き届いている。寝れさえすれば良いと思っていた自分にはもったいない。ゲストハウスというのは、旅行者同士が交流を楽しむものなのだろうが、小学生のごとく体力の限り外で遊ぶ自分にはあまり関係ない。このときは連休明けの閑散期なので、他の宿泊客は少なかった。

 荷物を置き一通り説明を受ける。日没まではまだ1時間半あるので散策に出ることにする。自転車に乗り、思いつくまま走り出す。幹線道路である390号線へ出てから、道沿いに南下してみる。このまま進めば「与那覇前浜ビーチ」へ行けそうだ。ここは、ガイドブックなどで東洋一の美しさと評される有名な場所らしい。小雨が降ってきたが、気にせず向かうことにする。道中に大きな工場があり、濃縮された甘酸っぱい匂いがする。製糖工場のようだ。サトウキビを使った砂糖は宮古の主要産業である。

 18時前に前浜ビーチに到着。曇りの夕方ということで、鮮やかな風景ではない。それでも、開放的な白浜と透き通った海は十分美しい。砂浜から正面を眺めると来間大橋とその先の来間島が見える。これはもう行くしかないだろう。暗くなる前に帰る発想がないのが恐ろしい。

第2の島『来間島(くりまじま)』

 全長1690mの来間大橋を渡り、宮古島に続き2つめの島となる来間島に到着。一周9kmほどの島なので、軽く1周してみることにする。島の東側には観光客向けのお洒落なお店が数件あったが、それ以外にコンビニや大きなスーパーなどはないようだ。民家も東側に集中しており、島の面積のほとんどが畑のようだ。

 島の西側には長間浜という広いビーチがある。ここは、美しい夕日が見られることで知られている穴場のビーチとのこと。何もない農道を抜けた先に極上ビーチがひっそりとたたずんでいるのが宮古島を象徴している感じがする。しかし、その先には変わりゆく宮古島を象徴するような景色と遭遇した。

 島の観光スポットである竜宮展望台を目指していると、建設中のホールのような建物が目に入る。外壁はピンク色で、看板などは見当たらない。畑の中に唐突にスーパーマーケットだけをつくることはないだろう。その先に、今度は分譲住宅を思わせる平屋建ての建物が並んでいる。こちらも建設中のようである。ひと気のない工事現場の横を抜けると、その正体が判明した。「来間島リゾートプロジェクト(仮称)」である。手つかずの長間浜に手を入れ、リゾートビーチにする計画が進行中のようだ。ここに来るまでの、のどかな宮古島の風景に心を許していた自分には、少し不安を抱かせる看板となった。

 竜宮城展望台へ到着。竜宮城を模した三階建ての小さな建物である。申し訳ないが、建物だけならばわざわざ見に来ることもない場所である。しかし、ここからの景色はぜひ見に来るべきだ。最上部から眺めるとさっき渡ってきた来間大橋と、前浜ビーチ、その奥には緑に覆われた宮古島が見渡せる。ここから見えるのは、美しい自然と人々の生活が調和して一体となっている風景である。眺めていると宮古のゆっくりとした時間を感じることができる。

 そうこうしている内に日没。残念ながら夕日は見られなかった。街灯もまばらなのですぐに暗くなるだろう。用意してきたヘッドランプを装着し、帰路につく。買い物など寄り道をして、最終的に宿に戻ったのは9時半になってしまった。初日から飛ばしすぎた。シャワーを浴び、翌日の計画を立てる。明日は朝から1日フルに行動できるので、北端にある池間島を目指すことにする。脚の疲労とともに就寝。

その3へ続く