伊良部島探検(宮古島旅行記その5)

その1はこちら

日本一の橋「伊良部大橋」

 肉体疲労からゆっくり寝すぎてしまい、出発は9:30になった。本日も天気予報を見事に裏切り朝から気持ち良く晴れている。現地の人いわく、宮古の天気予報は当てにならないらしい。

 本日の目的地は、宮古島の北西に位置する伊良部島とさらにその先にある下地島だ。ルートは伊良部大橋という長い橋を渡り、島の外周を反時計回りに一周する。昨日と比べ移動距離は少ないので時間には余裕があるはずだ。その途中で観光スポットとなる佐良浜港と三角点、そして17エンドの3ヶ所に立ち寄る。それでは3日目のスタートである。

 宿を出て走ること20分で伊良部大橋に到着。この橋は「無料で渡れる橋として日本一の長さ」とのこと。開通したのは2015年1月と比較的最近で、それまでは連絡船で行き来していたそうだ。つまり伊良部島と下地島は、離島のさらに離島だったのだ。
橋の全長は3540mと非常に長く、対岸の伊良部島は遥か彼方だ。橋には歩行者と自転車が通行できるように路肩が設けられている。とはいえ、この日本一長い橋を徒歩や自転車で渡る人は一体どれだけいるのだろうか。

 走り続けること10分、橋の半分あたりまできた。途中で止まって景色を眺められるのは自転車の特権だ。島と島の間、海のど真ん中である。対岸までの道のりを確認するとラクダのコブ状に2つの急登がある。一息ついてから長い登りにかかる。ギアを下げながらなんとか登り切り、そこから一気に滑り降りる。この瞬間が島での最高速度を記録していたと思う。青い海を背景に下る長い坂道は、車では味わえない爽快感があった。対岸の伊良部島はもうすぐだ。

第4の島『伊良部島』

 伊良部島に到着。島の東に位置する佐良浜港を目指す。
走り出して早々アップダウンが激しい。緩やかな下り坂へ差し掛かると、道の左右に東京では見慣れない建造物が並んでいる。どうやら沖縄のお墓のようである。
調べたところ、沖縄には本土と全く異なったお墓の文化がある。「風葬」という習慣で、これは遺体を自然の中で風化させる埋葬方法だ。長い時間をかけて自然に大地に還っていく、沖縄の文化を象徴する究極の自然葬である。しかし時代とともに変化し、現在では本土と同じ火葬になっているようだ。

 分岐を右に曲がり港へ下る。到着した「佐良浜港」は、伊良部大橋の開通以前には宮古島との連絡船の発着場所として賑わっていたそうである。現在ではその役目を終え、閑散とした漁港だ。事前に調べたところ食堂があるようなので、そこで昼食を取ることにする。急坂を下るとそれらしい建物を発見。なんと「閉店」の張り紙が貼られている。落ち着いて確認するとリニューアルオープンしているようだ。そこから50mほど先で「おーばんまい食堂」という綺麗なお店になっていた。

 メニューから海鮮丼(900円)を注文して席で待つ。窓際の席からは、漁港を眺めることができる。店内を見ると数種類のお茶や、単品メニューの天ぷらなどが並んでおり、サービスが行き届いている。

 海鮮丼が出来上がる。まずはしっかり目で味わう。盛られた刺身はどれも新鮮で鮮やかに輝いている。盛り付けは丁寧で、刻み海苔とねぎと海ブドウの青みが刺身の色を引き立てている。そして実食、クセのない味で非常に美味しい。量はそれほど多くないが満足感は十分であった。

恐怖の絶景ポイント

 時刻は正午。次に目指すのは「三角点」というスポットだ。宿の主人に教えてもらった場所で、ガイドブックにはあまり載ってない隠れ絶景スポットとのこと。

 グーグルマップを頼りに20分ほどひと気のない道を走る。案内表示がないので、入り口が見つからない。すると、何もない場所でタクシーが停まっているのを発見。おそらく、三角点に観光客を連れてきたのだろう。ということは、入口はその付近にあるはずだ。
 慎重に脇を見ながら進むと、垣根のようになっている木々の中に一つの小さな抜け道を発見。ロールプレイングゲームのようだ。
 自転車を路肩に止め、身をかがめながら抜け道に分け入る。木のトンネルを抜けると、眼下には断崖絶壁。そして、その先にはサンゴの青く輝く海が広がっていた。

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 足場が一畳ほどしかなく、柵は一切ない。つまずけば即、死である。まさに絶景。感動と恐怖でドキドキし、足がすくむ。すでに先客がおり、20代と思われる台湾か中国人の女性だ。先ほどのタクシーで来たのだろう。その女性はしばらくここで海を眺めていたらしく、ウミガメが見えることを教えてくれた。目を凝らすと、確かに茶色いウミガメらしきものが遥か下の海面に浮かんでいるのが見える。女性が帰った後もしばらく海を眺めていたが、恐怖心から景色に集中できない。高所恐怖症の方は絶対に来ない方が良い。

 抜け道の途中には、「絶壁先端付近での危険行為は絶対に行わないで下さい」と注意書きの看板が立っていた。実は、SNSで話題になり、この場所に訪れる観光客が増えているそうだ。インスタで検索すると多くの投稿がある。その中には、崖の先端部分で足を投げ出して座っているものまである。このまま観光客が増えていけば、いつかは事故が起きると思う。そして間違いなく死亡事故になるだろう。そうなれば、この場所は立ち入り禁止になる。レジャーでは怪我なく無事に帰宅することが第一の目的だ。安全第一で訪れてほしい。

その6へつづく