北アルプス登山録『燕岳』

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テント撤収と下山

 午前8:30、ようやく雨が上がったのでテントから抜け出す。引き続きの強風のためテントの撤収作業には時間がかかった。テントが飛ばされれば回収は不可能だ。

 結局、大天荘を出発したのは午前9:00を過ぎていた。3日目の本日は復路であり、入山した中房温泉まで戻る。途中、時間と体力に余裕があれば燕岳に立ち寄るつもりだ。表銀座縦走路はガスのため眺望はない。昨日までの疲労はあったものの足取りは悪くない。ひたすら来た道を戻る。

 2時間もかからず「大下りノ頭」を通過し、さらに1時間ほどで燕山荘に到着。山小屋でゆっくり休憩とり昼食をいただく。燕山荘のカツカレーは肉厚のカツとマイルドなルーが調和してとても美味しかった。

燕岳に立ち寄る

 時刻は13:45、予定通り燕岳に向かい出発する。登山道の雰囲気は変わり、白い砂の道と様々な形の岩が点在している。相変わらずガスのために眺望はないものの、景色の変化のおかげで新鮮な気持ちになる。

 30分ほどで山頂へ到着。晴れていれば槍ヶ岳まで一望できたはずだ。山頂は狭いため長居せずに降りる。道中、ツアーと思われる人々と何組もすれ違った。さすが人気の山であるが、最盛期には山頂が渋滞すると思われる。燕山荘まで戻ってきたときには時刻は14:30になっていた。

下山

 燕岳を登頂し、今回の目標は全て達成した。後は下山するのみだ。名残惜しさの中、再訪を固く誓い稜線を後にする。帰路は快適で、時間的に上がってくる登山者は少なく一心不乱に下ることができた。合戦小屋までは30分足らずで通過。しかし、そこから膝に痛みが出てきたためペースを落とす。この日だけで2000mも下ることになるのだから脚にかかる負担は相当大きいだろう。

 16:50中房温泉へ無事下山。2時間半で雲上の夢の国から戻ってきてしまった。往復してみてこの合戦尾根が人気の理由がよく分かった。北アルプスの三大急登とは言われるが、登山道はとても歩きやすいためそれを感じさせない。
駐車場から3〜4時間で2700mの稜線に出ることができるのはコストパフォーマンスが高い。さらに道中には合戦小屋と燕山荘もあるため安心感がある。北アルプスの入門に最適と言われるのもうなずける。
その上、登った先の表銀座縦走路の稜線は何度でも歩きたくなる絶景だ。次回もまた中房温泉から登ろうと思う。