服装について
基本は化学繊維
服装はポリエステルなどの化学繊維のものにする。綿だと汗や雨で一度湿ってしまうとずっと乾かないため適さない。ユニクロはコストパフォーマンスが良く、化繊のものを下着から一式揃えることができる。
アウターにはゴアテックスなどの防水透湿素材のものが望ましい。これ1枚でウィンドブレーカー、防寒着、雨具の役目を果たしてくれる。強風に備えて上下セパレートのものにする。ゴアテックス製品は高価なので、ユニクロのブロックテックや無印良品の代替商品でも十分である。ただし、ビニール性のレインコートではサウナスーツ状態になるのでおすすめしない。
一点豪華主義で個性を出す
登山用品は基本的に高いが、全身がユニクロコーデになってしまうのも味気ない。高価でも気に入ったものがあれば取り入れた方がテンションは上がる。足りないものをユニクロなどで補うようにコーディネートすれば総額を抑えることができる。
また、普段から着慣れている服装に近い方が良い。高機能タイツなども良いが着慣れていないものはそれ自体がストレスになってしまうかもしれない。普段から使っているものをそのまま山に着ていくのが最も違和感が少ない。
気温は、夏でも山頂付近では10度以下になるので防寒対策が必要になる。携行性の高さから薄手のダウンジャケットが良い。
靴は履き慣らすこと
靴は、防水性のあるミッドカットのトレッキングシューズが良い。岩場があり、雨に遭う可能性もあるのでスニーカーは避けた方が良い。トレッキングシューズよりも丈夫な作りの登山靴でも良いが、硬くて重くなる分疲れやすくなるリスクもある。富士山では軽さを優先させてトレッキングシューズで登った方が良い。
靴の種類よりも重要なことがある。それは、その靴を当日までに履き慣らしておくことである。履きなれない靴で長時間歩くと靴ズレなどのトラブルにつながる。登山当日までに出来るだけ履くようにしておこう。そのためにも普段使いができるものを選んでおけば、そのためにわざわざ山に行かなくても自然と履き慣らしができるのでおすすめ。
服装まとめ
- トレッキングシューズ
:ミッドカットで防水のもの - 靴下
:化繊かウールで厚手のもの - 雨具・防寒着
:上下セパレートで防水浸湿素材のもの - 帽子
:日除けになるもの - リュック
:使い慣れたデイパックなどで大丈夫(レインカバーは必要) - メガネ
:コンタクトが飛ばされたときのため - 手袋
:軍手など(防寒対策と岩場があるため) - 日焼け対策
:長袖、長ズボン(タイツ)、日焼け止めクリーム
携行品(軽さを最優先)
重くなればなるほど脚への負荷は大きくなる。できる限り軽くする意識を持って携行品を選ぶ。例えば500mlのペットボトルは1本で500グラムであり、2本持っていけば1kgの重量増になる。持っているだけではそれほど重く感じないものでも、持ちながら長時間運動するとなると大きな負荷になる。
飲み物を山小屋で買うと通常の数倍の価格ではあるが、数百円で身体への負担が減り登頂する確率が上がるなら安いと考えるべき。持ち物は最小限にし、念の為に持っていくことはやめる。
個人的にトレッキングポールの持参をオススメする。使用することで脚への負荷を上半身へ分散することができる。長い下りでは関節への負担が大きいため積極的に使いたい。山行の基本は二足歩行でしっかりと体を安定させることだが、転ばぬ先の杖として携行すると何かと役に立つ。
携行品まとめ
- 飲み物
:途中の小屋で買い足すこと前提に最小限にする(500mlを2本) - 行動食
:カロリーメイトやグミなど(チョコは溶けるので適さない) - スマホ
:予備バッテリーがあると安心 - トレッキングポール
:転ばぬ先の杖。 - ヘッドライト
:日帰りでもお守りとして持参する - タオル
:数枚あると良い - 食事
:カップヌードルとおにぎりなど(山頂で購入か持参) - 小銭
:トイレや飲み物の購入用
登頂するために
歩き方の注意点
とにかく「ゆっくり歩くこと」を忘れないことが大切。ゆっくりでも歩き続ければ必ず山頂にたどり着けるのが富士山。実は8合目から先が長いので、そこまで体力を温存することがポイントになる。
前半は周囲のペースも早いため、巻き込まれてオーバーペースにならないように注意する。体力自慢の人ほど前半飛ばしすぎて8合目でへばることが多いように思う。マイペースを維持することが最も重要。休憩を最小限に抑えながらトボトボと歩き続ける方が結局到着も早くなる。「オーバーペースになっていないか」と自問しながら登っていくことが大切。
高山病について
平地と比べると3割ほど酸素濃度は低いが、人体に影響が出るほどではないと思う。酸素ボンベを持っていくよりも、呼吸の方法に注意する方が大切。「高山病でリタイヤ」というのは酸欠のせいではなく精神的なものかオーバーペースが原因ではないかと思う。
歩くペースが早いと息が上がり口呼吸になってしまう。これは酸素濃度が低い高地には適していないし危険である。息を乱さずに鼻で呼吸しながら登れるくらいが適切なペース。
また、呼吸のコツとしては吐く方を意識すること。そうすることで新鮮な酸素を十分に取り込むことができる。それでも息苦しくなった場合には深呼吸を数回行う。これだけで、血中酸素濃度は平常値に回復するはずだ。体力に自信がある若者がリタイヤして、会話しながらマイペースで登るおばさま達が登頂するパラドックスはこのようなことが理由ではないか。